2023年11月現在、円安は長引いています。その要因は、大きく分けて以下の3つです。
- 日米金利差の拡大
日米の金利差が拡大していることが、円安の主要な要因です。米国はインフレ抑制のため、金融引き締めを進めています。一方、日本はデフレ脱却が進んでおらず、金融緩和を継続しています。そのため、ドルの金利が上昇し、円の金利が低下することで、円安が進んでいます。
- 米国経済の堅調
米国経済が堅調であることも、円安を促す要因となっています。米国の景気が拡大すると、投資家は米国への資金を流入させる傾向にあります。そのため、ドルの需要が高まり、円安が進みます。
- 日銀の金融政策
日銀が金融緩和を継続していることも、円安の一因となっています。日銀は、物価上昇を抑制するために金融緩和を継続しています。そのため、円の利回りが低下し、円安が進んでいます。
これらの要因が重なり、円安が長引く状況となっています。
円安が続くと、日本では以下のデメリットが考えられます。
- 輸入品価格の上昇によるインフレ
- 輸出企業の利益減少
- 海外旅行の費用増加
円安がいつまで続くかは、日米の経済状況や日銀の金融政策などによって左右されます。今後も、円安の動向を注視していく必要があります。
因みに円とドルのちょうどいい相場は、1ドル100円程度であると考える経済学者やエコノミストが多いようです。この相場では、輸出企業の利益が減少しすぎず、輸入品の価格上昇も抑えることができると考えられています。
また、マクドナルドのビッグマックの価格を比較する方法もあります。2023年9月28日現在、日本ではビッグマック1個の価格は¥590です。米国ではビッグマック1個の価格はUS$5.99です。このレートを換算すると、1ドルは¥100.55となります。つまり、マクドナルドのビッグマックの価格が世界中で同じになるようにすると、1ドルは¥100.55程度ということになります。
ただし、円とドルのちょうどいい相場は、経済状況や政治情勢によっても変化します。今後、日米の経済状況や日銀の金融政策などによって、円とドルの相場は大きく変動する可能性があります。
以下に、円とドルのちょうどいい相場に関する、経済学者やエコノミストのコメントをいくつかご紹介します。
- 浜田宏一氏(米イェール大学名誉教授)
「1ドル100円くらいがちょうどいい。1ドル150円を超えると、輸出企業の利益が減りすぎてしまう。一方、1ドル80円を下回ると、輸入品の価格上昇が抑えられない。」
- 中曽根弘文氏(元外務大臣)
「1ドル100円くらいがちょうどいい。1ドル150円を超えると、輸出企業の利益が減少し、海外旅行の費用も高くなる。一方、1ドル80円を下回ると、輸入品の価格上昇が抑えられず、インフレを招く。」
- 西村康稔氏(元経済産業大臣)
「1ドル80円から100円くらいのレンジがちょうどいい。1ドル150円を超えると、輸出企業の利益が減少し、海外旅行の費用も高くなる。一方、1ドル80円を下回ると、輸入品の価格上昇が抑えられず、インフレを招く。」